「マンションの賃貸と購入どちらが良いか」
マンションの販売業をやっていると初めてのマイホーム検討の方からよく受ける相談です。
この質問をされる方は購入したいけれど支払いや貯蓄が減るのではないかという不安がありますので、今回は資金面について比較してみました。
【当初13年間の賃貸と購入の[支出]と[資産性]を比較】
まずは住宅ローン控除が適用になる13年後までの支出を具体的に比較して行きましょう。
賃貸派のAさん、購入派のBさん共に35歳、同じ年収とします。
(賃貸派:Aさん)
175,000円位の賃貸マンションを例に上げます。家賃に2更新料1ヶ月分6回分105万円と初期費用4ヵ月分70万円を足します。
13年間の支出は2,730万円+105万円+70万円=2,905万円
1か月換算186,217円です。
(購入派:Bさん)
5,000万円のマンションを5,000万円の住宅ローン{20年固定・期間35年・金利0.831%(じぶん銀行2019年10月)}を借りて購入したとします。
13年間の支出は住宅ローン月額137,239円、管理費等(月額約3万円)及び固定資産税(年間約19万円)
年間のトータルは約220万円、13年間で2,860万円。初期諸費用約200万円、住宅ローン利息約416万円(20年固定)を足して3,476万円。
住宅ローン控除約449万円を差し引くと約3,027万円。
*住宅ローン控除内訳
1~10年目で約395万円。
11年目から13年目は建物価格を税抜2,800万円とした場合、約18万円ずつ控除されます。
よって購入した場合の13年間の支出を月々に換算すると、194,038円。
[支出の比較]
月々の支払いに換算した場合
賃貸Aさん=186,217円
購入Bさん=194,038円
194,038-186,217=7,821円
賃貸の方が毎月7,821円のプラスが出ます。
支出面では賃貸の方が得ということになります。
13年間で賃貸派のAさんは122万円を貯蓄出来ます。
支出面では賃貸の方が得という結果になりました。
[資産性の比較]
13年後、
購入派のBさんの場合、築13年のマンションをローン残高約3,310万円で所有しています。
賃貸のAさんは122万円の貯蓄が出来ましたが、マンションは所有していません。
どちらが良いでしょうか。
賃貸派のAさんはこのまま賃貸住まいを続けるか、これから購入するという選択が出来ます。
貯蓄の122万円に80万円足して諸費用とし、築13年・3,230万円の中古マンションを購入すれば、
購入派のBさんと同じ資産状況になります。
同じ資産状況になるには築13年・3230万円の中古マンションがあることが前提です。
それよりも安ければBさんよりもAさんの方が資産状況が良くなります。
購入派のBさんは
残債3,310万円に仲介手数料等130万円、賃貸に戻る初期費用70万円、さらに122万円を足した3,630万円で売却し、175,000円の賃貸マンションに戻ると、手元に122万円を残しAさんと同じ資産になります。
3,630万円よりも高く売れれば、BさんはAさんよりも資産状況は良くなります。
[13年後の結論]
資産性の比較は13年後になってみなければ分からないということです。
【14年目以降の比較】
それではその後の比較をしてみましょう。
Bさんは35年以内に住宅ローンが終わる予定です。
もしもAさんが13年以降も一生賃貸に住み続けたとしますと、Bさんが住宅ローンを完済した後も、Aさんは
家賃を支払い続けなければなりません。
そうすると賃貸はのAさんと購入派のBさんの資産状況は明らかに離れて行きます。
【70歳以降の支出を比較】
Bさんが住宅ローンを完済した後の70歳から90歳までの比較をします。
(賃貸派のAさん)
賃料175,000円×240ヶ月=42,000,000円
更新料175,000×10ヶ月分=1,750,000円
合計(A)=43,750,000円
(購入派のBさん)
管理費等:約50,000円×240ヶ月=12,000,000円
固定資産税:約72,000円×20年=1,440,000円
合計(B):13,440,000円
[支出を比較]
AーB=30,310,000円
購入派Bさんが3,000万円ほど支出が少なかったことになります。
【総論】
老後の支出が3,000万円も抑えることが出来るのであれば、
やはり購入できるうちにマンションを所有しておいた方が良いと言うことになります。
今やマンションは100年時代。建替えも要らず、3世代で住み続けられます。
マンションを購入することは、贅沢なことではなく、むしろ自分の生活に必要な資力を確保するための手段と考えられます。
今回の例では賃貸マンションに住み続ける方が散財してしまったことになります。
若くて元気なうちにマンションを購入することをお勧めいたしますし、弊社も皆さまのお力になれことを心から願っております。
株式会社ファミリータイズ
代表取締役 村田 拓